最終更新日 2023年2月24日 by acebrow
(1)とび職とは
建築現場の仕事に興味がある人にとって、一つの職種となるものがとび職です。
建築現場作業の中でも最も高いところに立ち仕事をする職人のことを指します。
作業の種類や職業などにより、その仕事内容も大きく異なります。
●足場鳶
鳶職の仕事は大きく分けると三つあり、その一つが足場鳶と呼ばれるものです。
建築現場では作業を行うためにまず最初に足場が必要となります。
この足場を組む職人が足場鳶です。
建物の完成像をイメージさせながら、どうやって足場を組んで行けば作業がしやすくなるのかを考えた上で足場を完成させていきます。
●鉄骨鳶
そして二つ目が鉄骨鳶と呼ばれるものです。
鉄骨鳶は建物の骨組みを組み立てる職人のことを指しています。
クレーンなどを使い、重い鉄骨を組み立てていく仕事です。
●重量鳶
三つ目が重量鳶と呼ばれるもので、この3種類の中では一番専門性が高い仕事です。
建物の中に機械などを取り付ける仕事をさします。
このようにとび職といっても種類が分かれているため、自分がどのような仕事を行いたいのかによって選ぶ必要が出てくるでしょう。
どれを選べばよいのか悩んでいるという人も、とりあえずいずれかのジャンルに挑戦し、そのほかのジャンルにステップアップさせていくことも可能です。
(2)とび職の給料や勤務体制
とび職の仕事をするうえで、やはりどれくらいの給料をもらえるのかということも気になるのです。
鳶職の年収としては、一般的には300万円から400万円ほどといわれています。
これが職長クラスになれば、400万円から500万円ほどに上がるでしょう。
ベテランになればそれ以上の給料を得ている人もみられます。
職場の体制によっても異なりますが、ボーナスが出るところはあまりありません。
一般的に給与は日給制で働いた日数を月給として支払われるケースが目立っています。
国民年金や国民健康保険料なども個人で支払わなければならないことが多く、確定申告も個人で行う必要があるでしょう。
作業着は支給されるところもありますが、一般的には自前というところもみられます。
企業によっても異なるため、このあたりに関してはしっかりと確認することが求められます。
勤務時間については多くの場合8時から17時ですが、準備などもしなければならないため、時間よりも前に現場に入らなければなりません。
夜は暗くて視界がきかずに危険となるため、建築現場では夜に作業が行われることはほとんどないでしょう。
定時で終わることがほとんどですが、その代わり休みは週に一回というところがほとんどです。
(3)とび職のメリットやデメリット
このような特徴のあるとび職ですが、メリットもあればデメリットもあるのが事実です。
メリットとしては、学歴が要らないということが挙げられます。
中には中学を卒業した後に働いている人もいて、やる気があれば挑戦することができる業界と言えます。
体を動かすことにもなるので、給与がある程度もらえるということもメリットの一つです。
同年代の男性よりもお金をもらっている人も多く見られます。
自分の頑張り次第で昇給も望むことができます。
見習いから始めたとしても、ある程度の日給が保証されていて、建築現場の仕事は数多くのものはあるため、自分が行う仕事がなくなるということもほとんどありません。
反対にデメリットとしてあげられることは、体調管理に注意しなければならないことです。
この点についてはどの仕事でもいえることですが、特に体力がいる仕事であることから、体を壊してしまえば働けなくなってしまいます。
また転職先が少ないこともデメリットの一つとなるでしょう。
建築業界は比較的狭い業界となるため、様々な職場を転々とすることはなかなか難しくなります。
希望の勤務先がどうしても見つからないというのであれば、自分で独立するという選択肢も一つの手段となります。
(4)とび職に向いている人
とび職に向いている人としては、まず第一に仲間意識が強いことが挙げられます。
集団行動で仕事を行っていくことになるため、仲間意識は必要不可欠となるでしょう。
また高所で作業することになるため、高所恐怖症でないことも一つの条件となります。
しかし適度に恐怖を持つことによって、大けがをしないように気をつけることも大切です。
そしてなんといっても体力に自信があることです。
重い物を運んだりと体力勝負となるため、体力がない人にはあまり向きません。
(5)まとめ
現在でもこれからも、建築を必要とする現場は非常に多いことでしょう。
そのため今後もとび職の需要は十分あります。
仕事に波があるのは事実ですが、業界全体的に人材不足ともいわれているため、とび職の採用については働きたいと思えば多くの場合は受け入れてもらえます。
未経験の人でもやる気があれば将来につながるといえます。
この業界に飛び込むための資格は何も必要ありません。
少し前まで弟子入りなどの文化もありましたが、近年では建築会社に就職するのが一般的と言えるでしょう。
敷居はそれほど高くはないので、興味を持ったらまずは自分から飛び込んでいくことが大切です。