最終更新日 2023年2月24日 by acebrow
建物や構造物の工事現場でよく使われている、くさび式足場は接地面積が狭い場所でよく使われています。
民家が密集している住宅地や建物の形状が複雑な場合には特に有効で、作業員の安全確保と利便性を両立可能です。
KRH株式会社のくさび式足場は盛り替えや組み換えなどの作業が簡単にできるような仕組みになっているので、解体作業の現場でも利用されています。
ハンマーが1本あれば足場は完成する
一定間隔に支柱があり、その結合部に水平材と斜材を接続しています。
ハンマーが1本あれば足場は完成するので、装備が限られている現場でも有効でしょう。
その一方で、高層建築物の工事作業などには不向きである点があります。
足場は非常に狭く作られているので、足を踏み外すと落下の危険もあるからです。
高層建築物の工事作業で、この足場を使用する場合は安全ベルトを使用するだけでなく、長期間の設置は避けたほうが無難でしょう。
実際に、くさび式足場を高層建築物に設置する事例はいくらかありますが、外壁の塗替えや一時的な足場の確保など、短期的な使用に限られていることが多いです。
仕組みは非常に単純な作りになっており、他にものと比べて軽量で可搬性が高く、組み立ても短期間で済むことから工期が限られている現場でも有効です。
支柱一本が10000円前後、ブラケットが約3000円になり、ジャッキベースは2500円程度で購入可能と他の建築資材よりも比較的安価になっています。
この足場は階段も設置可能で、簡単に上層階に移動することが可能です。
手すりも用意されているので、低層階の住宅であれば落下時のリスクも低いです。
これまで建築現場で利用されてきた足場は鉄製のものではなく、丸太や木材で作られた安全性や可搬性などに問題のあるものでした。
倒壊のリスクが非常に高い
木材は雨風に晒されると劣化してしまうだけでなく、弱い衝撃が加わっただけでも倒壊のリスクが非常に高いです。
住宅が密集している現場で、足場が倒壊してしまうとその被害規模は非常に大きいものになるでしょう。
建物の損壊だけでなく、人的被害も計り知れません。
更に、足場に使用されている木材は不揃いである上に、楔を使用していたとしても接合が不十分であれば簡単に崩れてしまうことがあります。
木材を使用したものであれば、可搬性も非常に低いです。
雨によって木材が水分を含んでしまうと、通常時よりも重量が増加していきます。
乾燥を待っていると建築作業に遅れが発生してしまうこともありました。
その木材を使用した足場が1980年頃まで利用されてきましたが、平成になり金属製の足場が流通するようになり、可搬性や安全性、利便性や耐久性能など様々な問題を一挙に解決することができたのです。
金属製で作られた、くさび式足場は従来の工法と違って施工時の騒音が減少しているので、近隣住民に迷惑になってしまうことがなく、住宅が密集した場所でも安全に運用することができます。
従来の木材を利用した足場の場合、作業を終えた後に解体する際に屋根上での解体作業がありましたが、くさび式足場の場合はそのまま留具を外すだけで良いので手間がかかりません。
また、一般的な日本家屋の場合、屋根上で作業を行う際に瓦を傷つけてしまったり汚してしまうことがあります。
この足場では屋根より上での作業を行う必要がないのでそれらのリスク軽減にもメリットがあるのです。
安全性も木材製のものと違って、留具を使用して確実に連結させることができる点から、作業中の事故を軽減できます。
支柱の長さも連結を続けていくことで10メートル以上の高さまで対応可能です。
溶融亜鉛メッキで表面処理を施されている製品の場合は、耐久性が高くなっており、雨によるサビの発生などによる劣化も少なく破損の可能性も低いです。
高層建築物であっても短期間の施工であれば利用される
以上の点から、くさび式足場は低階層の建築物はもとより、高層建築物であっても短期間の施工であれば利用されるケースが増えています。
従来製品よりも持ち運びがしやすく組み立ても簡単なので即席で足場を設置する際に非常に有効です。
それだけでなく、落下防止のための手すりや足場の揺れを防止する留具などにより安全性能も優れています。
解体作業から建築作業の現場まで、住宅が密集した場所でも安全な作業をサポートしているので、広く使用されている足場です。
ただし、決められた手順できちんとした設置作業を行わなければ、倒壊や落下などに発展してしまうケースがあります。
留具をきちんと締めたり、手すりを設置して作業員の安全確保を徹底する必要があります。
また、軽量な足場なので高層階に設置した状態で暴風が発生すると倒壊するリスクが一気に高まることがあるのです。
高層階での利用は短期間に留めておくだけでなく、設置する際の天候なども注意して設置する必要があるのです。
これらの安全対策は事前に作業員に研修を行うことで対策は可能です。
足場の利用の際には利便性だけでなく、作業員の安全確保を第一として取り組むことが重要になります。